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迷走、混乱、依存 2011 9 19

 「脱官僚」を掲げて政権交代を成し遂げた
日本の民主党政権が、このような結末を迎えることは、
残念に思う人が多いでしょう。
 民主党政権を一言で表現すれば、
「迷走、混乱、依存」という推移になったでしょうか。
鳩山政権、菅政権、野田政権。
 最近、メディアでは、震災復興の増税論が、にぎやかです。
震災復興の財源については、
大和総研顧問の原田泰氏は、こう書いています。
「財政資金を調達する原則は、
恒常的な経費は、恒常的な税収で賄わなければならないが、
一時的な経費は、国債で賄っても、かまわないということだ。
震災復興は、一時的な経費であるから、国債で賄っても問題はない」
 高橋洋一氏も、こう書いています。
「この増税論は経済のセオリーに反している。
100年に1回という大震災のショックは、
100年に分割して、現在と将来の国民が負担すべきもので、
そのためには100年国債にするものだ。
 しかも、大震災復興では、社会インフラの整備が中心だ。
津波で社会インフラが一掃されたところに新たに作るものは、
社会的な生産性が高く、目をつぶっても、
B/C(ベネフィット=便益/コスト=費用)規準をクリアする。
 となると、公共投資理論からみても、
建設公債から財源調達すべきものだ。
 こうしたインフラ投資は、
100年間も便益を生むので、財政再建の立場から見ても、
建設国債を発行しても正当化できる」
 さて、野田政権は、政権発足前から、
「財務省代表候補だ」とか、いや「財務省の組織内候補だ」と言われていました。
 日本のメディアも、基本的に財務省応援団であり、
学者や評論家の大半も、財務省御用学者か日銀御用学者に分類されます。
 こうしてみると、日本も中国と同じような体制に近いでしょう。
日本は、経済に関しては先進国ですが、
政治に関しては発展途上国に近いのです。
 日本では、まともな議論もなく、
「お上が決めたら、国民は従え」という雰囲気の中で、物事が進んでしまいます。
これは、発展途上国の政治体制に近いと言ってよいでしょう。
 日本は、まだまだ民主主義が根付いていないのです。
これでは、とうてい中国を批判できる立場ではないのかもしれません。

新聞と経営 2011 7 30
 『三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート』(7月27日)には、
このような記事がありました。
(以下、引用)
 先日、日本新聞協会加盟各紙と、
与謝野経済財政政策担当大臣との間で、
「新聞社側は、紙面で復興増税を推進する」
「財務省側は、消費税増税しても、新聞に軽減税率を適用する」
という取引が行われました。
 この取引の際には、
日本の大手紙の各論説委員が参加していたのですが、
その一人からのリークです。
(以上、引用)
 三橋氏は、憤慨している様子ですが、
今の時代、経営方針と報道方針をリンクさせないと、
経営が成り立たないと思います。
 新聞社といえども、経営が苦しい。
そのような状況では、「長いものには巻かれろ」という方式でないと、
経営が成り立たないでしょう。
数多くの社員を食べさせていくには、
やむを得ない決断だったと思います。
 もちろん、現場の記者や若い記者は、不満がたまるでしょう。
「これでは、中国のメディアと変わりない」と。
「いや、これでは、政府と原子力産業の癒着と同じだ」と。